結局何のための機材?あった方がいいの?オーディオインターフェース完全ガイド

初心者向けオーディオインターフェースの選び方解説アイキャッチ画像
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DTMの始め方と必要な機材を調べると、必ず目にするのが「オーディオインターフェース」という機材ですよね。その次にヘッドフォンやスピーカー、MIDIキーボードなどが便利グッズとして紹介されていることが多いと思います。

しかし、どの機材も高額なものばかりですし、オーディオインターフェースに関しては「必ず必要」と推奨しているメディアは多いですが「実際のところ何をしてくれる機材なのか」を詳しく説明してくれている記事は少なく、結局のところ「本当にそんな高額な機材が自分に必要なの?」と疑問に思っている方も少なくないはずです。

結論を先に言うと「DTMをまずは体験してみたい」という目的だけであれば、最初は絶対に必要というわけではありません。ですが「楽曲のクオリティーを上げる」ことを考えると、絶対に避けては通れない最重要機材です。

本記事では、オーディオインターフェースについて、

  • そもそも何をしてくれる機材なのか
  • なぜ「要らない」パターンもあるのか
  • もし買うなら、初心者にはどのようなものが最適か

という3つのポイントに着目し、他のメディアではなかなか見ることができない「オーディオインターフェースの真実」をお届けします!

ここが皆さんが最も気になっているところですよね!オーディオインターフェースは「PCと楽器などの中継器」と言われることが多いですが、その表現は惜しく、正確にはこのような役割を持っています。

  • AD/DAコンバーター
  • プリアンプ機能

ギターやベースなどの楽器類は、電気信号の中でも「アナログ信号」というものを発信します。イメージとしては「~」で表現できるような滑らかで継続的な信号です。

ですが、PCの電気信号の処理は全て「デジタル信号」で行われます。皆さんも聞いたことがあるかと思いますが「0と1」で構成される信号のことです。

この二つは基本的にはDAW(作曲ソフト)内では共存できません。ですので、ギター等の楽器類を録音する際には「アナログからデジタル信号への変換」また、DAW内の録音をスピーカー/ヘッドフォンに出力するためには「デジタルからアナログ信号への変換」が絶対に必要になります。

また、このAD/DAコンバーター部分の性能によっては「サンプリングレート・ビットレート」という部分の処理の性能が変わってきます。これらは「1秒間に何回の音の波をどのくらいの強弱で処理できるか」という項目で、この処理の仕方により「音質」が変わってきます。

この「信号の変換」が「中継器」と言われる理由の一つで、この部分は同時に音質の向上も担ってくれています。

実は、ギターなどの楽器類の電気信号はかなり弱く、そのままの状態ではまともな入力をすることができません。そのために電気信号を増幅する「プリアンプ」という機材が必要になってきます。また、コンデンサーマイクも同じで、コンデンサーマイクを動かすにはファンタム電源という特殊な増幅回路が必要になります。

ヘッドフォンも同様で、実はミックスなどに使われるヘッドフォンは本来の力を発揮するために、皆さんが普段使っているイヤホン/ヘッドフォンよりも、より強い電力を必要とします。


このように、入力された小さな音を増幅し、出力する音もしっかり鳴らせるパワーに引き上げる回路が、上記の「AD/DAコンバーター」と一体になっているのがオーディオインターフェースという機材です。

因みに....
スピーカーに出力するために、昔は「パワーアンプ」と呼ばれる別の機材が必要でしたが、現在のDTM用スピーカーは「アクティブスピーカー」という種類が主流になっています。「アクティブスピーカー」は、スピーカー内部に最初から電力を増幅する機能がついているため、インターフェース側に大きなスピーカー用のパワーアンプは必要なくなりました。

この説明を見ると、オーディオインターフェースの大切さが理解できますよね!

しかし、筆者は冒頭で「DTMを始めるだけなら無くてもいい」と記載しました。こんなに重要な機材がなくても、最初は無くてもDTMを始められる理由を、次の章で解説していきます。

PCには元々、オーディオを処理してくれるドライバーが入っています。Windowsの場合はDAWを立ち上げたときに「ASIOドライバー」というものがダウンロードされ、MacOSの場合は「Core Audio」と呼ばれるドライバーが標準で入っている仕様です。

このドライバーは簡易的に「オーディオインターフェースの一部の機能」を担ってくれています「デジタル信号」しか処理を行うことができませんので、DAWや別途購入したサードパーティー製(外部の音源)を使用するだけであれば問題ありませんが、ギターやマイクなどのリアルの楽器類の録音はできません。

また「サンプリングレート・ビットレート」に関しては、業界標準では「48kHz/24bit」という中間の音質ですが、標準ドライバーでは「44.1kHz/16bit」と、最低のものしかできないことも多く、それ以外の機能で見ても、PC本体が処理を行うことからヘッドフォンやスピーカーに出力する際にオーディオインターフェースから出力するよりもレイテンシー(遅延)が発生することもあります。

この様に、最低限でとりあえずDTMを始めてみたい!という方であれば必須とは言えませんが、ネットに自身の楽曲を他の人と同じ位のクオリティーで公開したい、音楽を仕事にしたいとなってくると、オーディオインターフェースは必須級の機材となってくるわけです。

オーディオインターフェースの主な機能としては、先程紹介した「AD/DAコンバーター」「プリアンプ」の2つですが、そのメーカーや機種によって処理できる「サンプリングレート・ビットレート」が違ったり、追加機能がありますので、その点から選んでいくのがおすすめです。

最低限用意したいのは「48kHz/24bit」の処理ができるオーディオインターフェースになります。その理由としては業界標準がこの「サンプリングレート・ビットレート」で書き出し処理がされているからです。なぜ、もっと上の最高音質にしないかという点ですが、これはテレビ業界が長年そのサンプリングレート・ビットレートで流通していたため、それに合わせた形を取っているからです。

実際の音楽業界の録音では、高音質の「96kHz/24bit」で作業・録音を行い、最終的に「48kHz/24bit」にダウンコンバート(音質を下げて書き出し)を行っています。

「え?音質を下げて問題ないの?」と思うかもしれませんが、実は問題がありません。問題になるのは「44.1kHz/16bit」からのアップコンバート(音質を上げて書き出し)の場合です。この点は画像の拡大/縮小と同じと思っていただけるとイメージがしやすくなります。大きい画像から小さい画像に書き出す分にはあまり問題なく見えますが、小さいものを拡大した場合は画像が荒くなりますよね!

以上の理由から「48kHz/24bit」の処理は最低確保したく、その他機能と合わせて筆者が最初に導入すべきだと考えるオーディオインターフェースを価格帯別にいくつか簡単にご紹介します。

この価格帯よりも安いオーディオインターフェースも存在しますが、音楽的にまともに使用できるのはこの価格帯からといってもいいと思います。

また、この時注意してほしいのは「AG03」の様な「オーディオインターフェース機能付きミキサー」などの主体がオーディオインターフェースではないものは気を付けたほうがいいという点です。

実際のところ「AG03」であれば問題ありませんが、その他の商品ではオーディオインターフェースとして使用したかった機能がついていなかったという場合もありますので、基本的には「オーディオインターフェース」として販売されている商品を購入するようにしましょう!

UR12シリーズは昔から信頼のあるオーディオインターフェースの中でも最安値クラス商品です。

発売元はCubaceを展開しているSteinberg社で、サンプリングレート・ビットレートも「192kHz/24bit」と最高クラスの音質まで処理することができます。

それ以外の点に関しては特筆することはないのですが、余分な音へのキャラクター付け(音への特徴付け)がない分、原音に忠実で、素直な録音を可能にします。最安値クラスの中でも無難に長く使えるという点においてはコスパ最強とも言えます。

こちらは2万円以内で購入できるオーディオインターフェースの中で、最もおすすめな商品です。その理由は「Air」という機能が存在するためです。

FOCUSRITEには「ISA」というシリーズでプロの中でも愛用されているプリアンプのシリーズがあります。ISAシリーズは最も安いものでも10万円を超え、高いものだと30万円以上するものもあります。

Airは、このISAシリーズの音のキャラクターを再現する機能です。つまり十万円分クラスの音のキャラクターを得ることができます。サンプリングレート・ビットレートも「192kHz/24bit」まで処理ができるので、音質も問題ありません。

音のキャラクターに関しては、その方の好みですし、まれに他のPC音源の音のキャラクターと相性が悪い場合もあるので、一概に完全に良いとは言えませんが、この音のキャラクターが好きな方は間違いなくお得な商品といえます。

この価格帯になってくると、実は「ミックスコンソールの伝説的メーカー」が参入することになりますので、サンプリングレート・ビットレートの処理に問題ないことはもちろんのこと、各伝説メーカーの機能が使えるようになるため、予算がある方は最もおすすめの価格帯になります。

Universal Audioは「1176コンプ」や「LA-2A」など、プロの現場にも欠かせない製品を販売する超老舗の伝説的メーカです。

このVOLTシリーズでも「176USB」の価格帯からは、一台40万円以上もする「610プリアンプ」や「1176コンプ」の音のキャラクターを再現する機能がついています。

また、ミックス用ソフトの中には「UAD」という、これもプロが欠かせないプラグイン類があるのですが、これらはEQ一つ買うだけでも3万円以上かかりますし、UADプラグインはUniversal Audio製のインターフェースの中に含まれる特殊な処理装置がないと使用することができません。このUADプラグインが10種類以上つく他、業界標準のピッチ補正ソフトである「メロダイン」も付属します。

加えて、最近UAから展開された無料DAWのLUNAとも非常に相性が良いという特徴まであり、何から何までついてくるという印象です。

見た目もおしゃれで部屋のデザインにも合わせやすいため、見た目と中身どちらで見ても、現状一番コスパの高いオーディオインターフェーススですし、筆者もUA製の製品を愛用しているため、一番おすすめと言いたいところです!

SSL(Solid State Logic)はマイケル・ジャクソンも愛用したと言われており「SSLの卓の音を通ってない音を、聞いたことがない人はいない」と言われるくらいの超老舗の伝説的機材メーカーです。

SSL MKⅡでは「4K」というスイッチが搭載されており、この伝説級の音のキャラクターを再現する機能になっています。

この説明だけを聞くと、SSL MKⅡが最もいいと思うかもしれませんが、実は4Kスイッチの質感はプロの間でも賛否が分かれており、これを良しとするかはその方の好みになってしまっています。

また、この「質感の再現」に関しては現在Universal Audioの方が優秀という事実もあり、176USBよりかは若干人気が下がっています。

筆者としては、4Kスイッチの質感は「アナログ録音だけ」の楽曲の場合は好きなのですが、実際の楽曲の中でシンセサイザーなどの電子楽器との相性はイマイチかなと思うところもありますので、176USBとSSL MKⅡのどちらにするかはその方の好みという感じになっています。

急に価格帯を飛躍させたのには意味があります。

正直な意見として、4万円以内で先程のUniversal AudioやSSLの様な超伝説クラスの機能を備えたオーディオインターフェースがあるので、5万円/6万円クラスのものでは、これ以上の違いを「これを買ったから一気にクオリティーが上がった」と思えるような商品は中々ありません。

ですので、4万以上の商品で「一発でわかる違い」を体感したければ「プロ用の商品にする」というのが、将来的に買い替えを検討せずに済む、最も有用的な方法です。

また、プロ級の価格帯となると性能が素晴らしいのはもちろんですので、選ぶべきポイントはそれ以外の「音の質感」や「その他の機能」になってきますので、正直なところ個人の好みです。

ですので、この製品なら違いを感じられるという要素を兼ね備えた、自宅で使用できる最高級クラスの商品を個別ではなく一気にご紹介していこうと思います。

この2つの製品は、昔からともに「宅録最強のオーディオインターフェース」と言われてきた製品で、基本的には現在でも同じように扱われています。

RMEの方がAplloより7万円から10万円前後高くなっていますが、その違いは主に「アナログ使用を前提としているか」が大きいと筆者は考えています。

Apolloは入力端子や機能なども必要最低限になっており、EQやCOMPなどでアナログのコンソールを使用したければ別途でOptical入力ができる端子を購入しなければなりません。ですが、RMEには元々多くの端子がついている他、前面のパネルでルーティングやプリセットなどを、コンピューターを通さずにスタンドアローン(独立)で行うことができます。

この様にいずれは何種類かは実機を持っておきたい!と思う方はRMEオーディオの方が最終的なコストとしては少なくなると思いますので、高額なインターフェースを購入したい場合は真っ先に検討した方が良い製品になります。

この2つの製品は以前からもありましたが、最近「Apollo/RME」にも近い人気を博すメーカーです。

ANTELOPE AUDIOは独自で開発している伝説級機材のシュミレーションソフトのクオリティが高い他、様々なアナログ機材のルーティングを変えることができる「パッチベイ」という機材をPC内部で行うことができるので、選択肢①の製品よりもさらにアナログに特化した仕様です。

また、ダイナミクスレンジ(再現できる強弱の幅)は他のインターフェースに比べても格段に高く、これもやはり如何にアナログにどれだけの再現性を持たせるかというアナログ特化の使用になっています。

APOGEE製品は、今まで紹介した最強クラスの製品の「総合版」というようなイメージで、バーチャル/アナログに限らず様々な機能面で最高級クラスの製品になっています。

Symphonyというシリーズはこれ以上のクラスになると最低でも約50万円から最高だと約90万クラスのプロも使用するインターフェースですが、最も手軽に入手できるSymphonyシリーズがこの「Symphony Desktop」です。有名なECサイトなどでも高級クラスのものは説明が一切載っていない程信頼性の高いインターフェースになっています。

卓上オーディオインターフェースという点ではRMEの方が人気ですが、スタジオに入っているラック型のインターフェースを見るとSymphonyの方が多いため、最高級クラスを検討している方には打ってつけの商品です。


これらの高級製品は最安値のApolloでも15万円クラスの商品です。最初にも記載しましたが音質などは、どの商品でも最高級クラスの性能のものが積まれていますので、選ぶポイントとしてはやはり、その他の機能面や各社の音のキャラクター、将来的なサウンドメイクのやり方などから逆算して選ぶことが後悔しないための秘訣になります。

今回は「オーディオインターフェースとは何か?」という根本的な仕組みから、オーディオインターフェースが無くても良い場合、加えて「購入するなら?」価格帯別のおすすめ商品までを一挙に解説しました!

最後に、この記事の重要ポイントを振り返ってみましょう。

  • オーディオインターフェースの正体: アナログとデジタルを繋ぐ「高精度な中継器(AD/DAコンバーター)」であり、小さな電気信号を増幅する「プリアンプ」を兼ね備えた最重要機材。
  • 最初は無くてもいい理由: PC内蔵の標準ドライバーがデジタル処理の一部を担ってくれるため「PC内での打ち込み作曲」だけなら初期投資ゼロでもスタートできる。
  • クオリティアップには必須: マイクやギターを録音したい際、また高解像度の音質で処理や書き出しを行いたい場合は必須

オーディオインターフェースは1万円台のエントリーモデルであっても、現在の業界標準である「48kHz / 24bit」を余裕でクリアする性能を持っています。

「まずは手軽にDTMを体験してみたい」という方は、オーディオインターフェースは無くてもかまいませんが、最初から高品質や自分が思った作業をより快適に行うためにはやはり必須となってきますので、今後の検討の参考にしていただけますと幸いです!

あなたのDTMライフが、より快適でクリエイティブなものになることを応援しています!

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